京都府南丹市美山町で、京都府が在来種から品質改良をした京地どりを飼育し約20年。匠京地どり『ささ鳥』篠山直也さんと、京都市中京区で、中華料理20年・精進料理7年の経験を生かしたご飯屋さん『くっきんぐ えくすぺりめんと 番』を営む野澤裕則さん。こだわりの食材を用いて料理を提供している野澤さんが、ささ鳥の匠京地どりと京美白どりに巡り合い、『京美白どりのスマイル蒸し鶏(低温調理)』ができました。こんな素晴らしい鶏を飼育している生産者の篠山さんに会ってみたい。そんな思いで対談することとなりました。

野澤
子どもに安心して食べさせることができるご飯屋さんです。子どもに食べさせたい、子どもが食べられる辛さ、大人向けでない本当の意味でのファミリーレストラン(本当の家族が集まれる)をめざしている。子どもがメインで楽しめて、大人もご飯が食べられるお店を作っている。味付けは優しい味付け、ベースは精進料理です。

篠山
精進料理に肉のイメージがないが。

野澤
中華料理を25年やってきたら純粋に中華を追及したくなった。色々な書物を読んでいくと、世の中に存在する料理の基礎が中国の精進料理だとわかり、妙心寺に声をかけてもらい精進料理に携わった。食材を使い切る。例えばさつまいもの面取りした部分等で芋けんぴを作って学童に持たせている。捨てるような食材であっても、一手間かけることでおやつになる、且つ添加物なく砂糖と芋でおやつができることを体感してもらっている。食育アドバイザーとして、地元の小中学校へ行って授業を行っている。京都府から賞をいただいた。

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篠山
ささ鳥では地鶏を学校給食に提供している。美山は地鶏が有名なのに食べたことがない子どもが多くて悲しかった。せめて子どもには食べて欲しいと、学校給食で提供してもらうことにした。赤字覚悟です。

篠山
謙遜ではなく、野澤さんがやっていることは自分たちがやっていることより遥かに難しいことをされている。自分の技術ではまだできないところをやられている。鶏を飼う時に、安全性を念頭においた上で、化学的なこととかは一旦除外して、これを入れたら体の中でこういった反応が出るからなどこうなるだろうなど想像してやる。除外の理由は、天然のもの自然のもので全てやろうとすると必ずブレるので、めちゃくちゃ難しい。

野澤
レシピを教えて欲しいと言われるが、自分にはレシピが存在しない。その日の食材を見て、水分量等見ても変わる。大本にあるレシピは教えるが、絶対に同じ味は出せないと思う。それくらい自信を持ってやっている。

篠山
野澤さんと一緒で、子どもにご飯を食べさせると思った時に、自分が安心できるものはなんだろう、元々は有機農法をやっていたが、調べれば調べるほど個人としては農薬等にこだわりは持たなくなった。自分が安心できるものでやりたい、自分が食べられるものが安全基準、自分の基準で育てた鶏は安全だというロジックで鶏を飼い始めている。何を考えなくてはいけないかというと、食べた人が健康になる鶏を作る。いくらいいものを作っても、美味しくないと食べてもらえない味は良い、尚且つ鶏も楽しく生きれるという状態を維持しつつ、最後に食べた人が健康になる。

野澤
自分は旅行とかに行った際にその土地の土を食べる。子どもに嫌がられる。繊維と油分の含有量を勝手に解釈して、塩と砂糖でうま味が逃げないように、砂糖で含まれている油分を集めて、塩で繊維から出ないように蓋をする%を出して作った。鶏の油分やうま味で%を変えないと、固くなりすぎたりする。うま味が外に出ないように塩で蓋をする。人間だと、動脈硬化理論、塩と砂糖を摂りすぎたら、血栓ができて詰まる。これはわざと詰まらせてうま味を閉じ込める。

野澤
料理する立場からいうと、こういった美味しい食材を作ってもらえることが嬉しい。それを精進の教え、無駄にせず、命をいただく、命として循環する。生産者と繋がることが少ない。生産してもらってそれがあるから、料理ができる。生産してもらっている方に食べてもらえることがありがたい。そこで、作っていてよかった調理してもらってよかったなと、生産者の方に思って思えるのがありがたい。

篠山
反対の考えで、食べてもらう方の顔が見えない。自分が良いものを育てて良いものを作っても、そこが繋がらずモチベーションが下がっていく。食べてもらって、めっちゃうまい!気がついたらなくなっているなどを聞きたい。お金のためでなく、美味しいと思ってもらいたいから始めた。美味しいの思ってもらい明日への活力になれるようにやってきた。

野澤
フレッシュな鶏の状態で、穀物の香りがした。餌が身になって、香ることに感動した。また、もも肉(京匠地どり)を低温調理してこれだけ柔らかくなることに驚いた。

篠山
低温調理すると、本当に脂が美味しくなる。美味しさとは味の複雑さ、うま味成分をどうやって鶏の体に入れていくか。鶏らしい味をどれだけ深くしていくか、脂身をどれだけあっさり仕上げて、重いたいと思わせないか。求めるものは、料理に使いやすい鶏。あくまで自分が美味しいと思うものが食べたいからやっている。美味しさと健康を追及しているお二人が作り出した『京美白どりのスマイル蒸し鶏(低温調理)』は、南丹市のふるさと納税返礼品にて出品しています。

ささ鳥  〒601-0724 京都府南丹市美山町内久保 タカセ1−1 電話番号: 0771-75-0554
くっきんぐ えくすぺりめんと 番 〒604-8417 京都府京都市中京区西ノ京内畑町26−5 電話番号: 075-204-8624

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